クリクリPのなしよりのあり:040


 
こんにちは、ハヤカワです。

現場が好きです。

言葉の響きもいいですよね、ゲンバ、ってなんか。
汗の匂い、埃っぽい風、荒っぽいけど力強い空気。
なぜか惹かれます。

東京にきて、つまり自分の力で稼ぐようになって
はじめて体験した現場はテレビ局のスタジオです。

友達に誘われてはじめたテレビ局系のアルバイト。
最初はハガキ整理といった裏方だけでしたけれど
そのうち公開収録の際の観客誘導(客入れ)など
実際の番組制作の現場にも出ることになりました。

テレビの現場、おもしろかったですね~。
ミーハーな地方出身の18歳にとって刺激しかない。
もちろんドライとかカメリハのときにステージに
ぼうっと突っ立っててケリ入れられたり、台本で
張り倒されたりもしましたがわたしは元気でした。

次に経験した現場はグラフィック広告の撮影現場。
白ホリで床と壁の境目があいまいなスタジオです。
ここもピリッとした空気が漂う素敵な現場でした。

髭のカメラマン、歳が近いアシスタント、デカイ
バッグを抱えた小柄(必ず小柄)なスタイリスト。
コーヒーやサンドイッチなどを自由に食せる空間。
洋楽がガンガン流れる中、キラキラしたモデルを
コメットを焚きながらバフバフ撮影していく。

これぞ現場、ってかんじでした。

その後、六本木のアウシュビッツと呼ばれた会社
では「売りの現場に行ってこい!」と社長に喝を
入れられるハメに。売りの現場っていうとなんか
犯罪の匂いがしますがなんのことはないスーパー
の売り場を回って買う人、売る人、売られている
商品の状態を感覚として掴んでこいということ。

この現場は楽しくはありませんでした。
しかし後にまで役に立つ本当に重要な体験でした。
いまだに自分は「答えは現場にある」という主義。
どんな仕事でも必ず現場に一度は足を運んでます。

そして居酒屋時代は飲食の現場にどっぷり浸かる。
毎日の仕入れ、仕込み、開店準備、営業、閉店、
レジ締め、注文、掃除…というサイクルを6年間。

この経験で自分はつくづく裏方が好きなんだなあ
と思ったものです。客として、ゲストとしておも
てなしされるよりも、スタッフとしておもてなし
する側でいたい。テレビでも広告でも、見るだけ
ではなく作る側、それもモデルやタレントみたい
に表に出るのではなく裏側で支える役割でいたい。

この仕事でオープン前の美容サロンにお邪魔する
ときも、ついつい目が行くのがお店の裏側という
か仕掛けの部分です。表よりも裏側がどうなって
いるのかが気になって仕方がない性質なんですね。

で、いろいろ聞いて、見せてもらったりして。
へえ、そうなんですね、とか、こうなってるんだ
なんていうときが至福の時間だったりするのです。

お客様が入っていない時の、なにかこう、ピース
の足りないパズルみたいなお店の状態を知った上
で、別の日、営業中にお邪魔したときのあの温度
というかサロンに血が通った景色を見るにつけ、
ああ、スタイリストさんも主役でありながらも、
しっかり裏方なんだなあ、と思うわけであります。

この、主役でありながら裏方である、という職業。
世の中にあまたあるお仕事の中でも特にぼくが気
になるのが、そういう二面性を持つ職業なのです。

スタイリストは、その最たるものかもしれません。
ばいなら。

なりたいキレイを叶えるスタイリストマガジン「CLIP'CLIP」の編集部が発信するブログです。取材の裏話や今ハマっている“キレイを叶える”モノなど、編集部員の日常を綴ります。

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