CLIP'STYLEインタビュー

【山崎まいこ】ホリスティック医療で内側から輝く美しさに

まいこホリスティックスキンクリニック 院長 山崎まいこ

山崎まいこ ホリスティック医療

日本には、海外から一目置かれるほど優れた伝統食がたくさんあるにもかかわらず、若者を中心に食生活の乱れが顕著だ。その一方で健康への関心は高い人が多く、体に良いとテレビで取り上げられた品が、一瞬で店頭からなくなるという光景も珍しくない。結局のところ、自分にとって何が栄養となるのか分かっていないからではないだろうか。多くの人が抱える悩みや症状をより根本的な解決に近づけようと、栄養学を学んだ皮膚科医がいる。2017年8月、代官山に「まいこホリスティックスキンクリニック」を開業した山崎まいこだ。

まいこ先生が医師になろうと思ったきっかけは何だったんでしょう

子どもの頃からドクターを追いかけたドキュメンタリー番組が好きだったり、海外ドラマ『ER 緊急救命室』にハマっていたりして、本当に単純な理由なんですけどカッコイイなと思ったのと、人の役に立つ仕事がしたくて医師になりました。小学校1年の時に書いた「将来の夢」という作文では、すでに女医になりたいと書いていました(笑)。

はじめは形成外科医になったのですが、同じ女性へ心の通じた治療をしたいと思い皮膚科医に変わりました。体の内部を診ることが多い形成外科に対し、患者さんがもっとも気にされる外見をじっくりお話しを聞きながら治療していくのが皮膚科で、そこに一番惹かれたんです。皮膚疾患のある患者さんは気持ちまで落ち込んでしまうケースが多いのですが、そういったセンシティブな部分にも目を向けられますし、時間をかけて治していった結果、患者さんの喜びを直に感じられてやりがいもありました。ただ、なかなか治らない慢性的な病気を診ていくうちに、自分の中に新たな課題を見つけたんです。多くの患者さんが必要としているのは、もっともっと内側のケアなんだと。

それが先生の提唱する「ホリスティック医療」につながるんですね

ホリスティックとは、ひとことで言いますと“包括的な”とか“統合的な”という意味ですが、私が医療で使っているのは症状ではなく目に見えない、あるいは検査結果では分からないその奥に潜んでいる心の状態や、臓器で起こっているとは限らない症状について、あらゆる角度から診ることを指しています。医療を提供する側と同じように患者さん側にも“気づき”が欲しい、という私の強い思いもあるんです。肌だけを治したり外見だけを綺麗にして満足するのではなく、内面や体に摂り入れる栄養にも目を向けることが、治療や美しさにつながっていきますから。

内側からの美でもっとも大事なのが、腸内環境を整えることです。ここが整っていないと、どんなに良いと言われる物を摂取しても生かされません。その腸内環境を改善するために必要なのが酵素です。酵素は体の全細胞の働きにとって欠かすことができないうえ、体内で起こるすべての化学反応を仲介する物質でもあります。人は、酵素なくして生きられない生き物で、いくつか種類がある中でも特に私が注目しているのは消化酵素です。酵素と言うと、一般の人は野菜や果物をイメージされるでしょう。確かに間違いではありませんが、野菜や果物の酵素が、一緒に食べたお肉などを消化するのに役立つのかと言うと、実はそれほどでもないと知ったら驚かれるかもしれません。

世間で良いと言われている“酵素”とは認識が異なるようですね

野菜や果物の酵素は、人間が食べるためにつくられている酵素ではなく、フィトケミカルも同様で、植物が己を守るためにつくり出している物質です。野菜や果物を摂取しても、一緒に食べた肉などのすべてを消化しきれない理由はそこにあります。また人間は、植物が持つ細胞壁を分解するための酵素を分泌できません。では、どうやって食物から栄養素を摂っているのかというと、ひとつめが咀嚼。ふたつめは、腸内細菌が植物の細胞壁を分解する酵素を出すことで消化・吸収される仕組みになっています。腸内環境が整っていないと良い細菌が減るため、消化できなかった食べた物が腸管内で腐り、腐った物質が炎症を起こしてアレルギーを発症するケースもあるんです。

長時間におよぶ輸送経路を経て食卓に並ぶ最近の野菜や果物には、酵素が少なくなってきていることに加え、加工食品やストレスなどによって必要な消化酵素の量も減ってきている現代人ですが、食べる量が減るわけではありません。人間の体は、体内に食べ物が入るとそれを消化しようと一生懸命頑張りますが、それが負担になって新たな病気を招いてしまいます。そこで私が提案しているのが、体内で人間の消化酵素と同じ働きをする酵素を、手軽なサプリメントで補うことです。腸管内で滞ってしまった物質を分解・消化する手助けをしてくれます。

これからのアンチエイジングに欠かせないことは

年齢を重ねるとともに消化能力も低下していくので、そこを補うことですね。あとは、現代人は必要以上に糖質を摂り過ぎる傾向にあるのが気になります。糖質を摂り過ぎてさらに不摂生が重なると、最終プロセスである「AGEs(終末糖化産物)」ができてしまい、元に戻しにくくなるので、そうなる前に運動やストレス緩和、十分な睡眠で回避することが肝要です。AGEsは、全身のタンパク質に糖が結合してしまうことなんですが、それが肌のコラーゲンにつくと正常に機能しなくなり、たるみやくすみの原因となります。糖化レベルの高い人は、駅ではエスカレーターやエレベーターを使わず階段を使うなど、日常のちょっとした動作から改善していくといいですよ。また、AGEsを含む美味しい焼き色がついた食べ物、たとえばホットケーキやフライドポテトは食べる頻度を減らすなどをお勧めします。

まいこホリスティックスキンクリニックはどんな存在でありたいですか

何かあってから皮膚科に行くのではなく、予防医療を肌の世界でも認知して欲しいというのが私の願いです。患者さんに、このクリニックに通っていれば安心だと思っていただけるクリニックを目指しています。美容のことはそれほど極めたくないけれど、健康でいたいから食事のアドバイスを受けたいとか、何が分かっていないのかが分からないけれど来てみましたという人も大歓迎です(笑)。お話をお聞きする中で、意外な部分に気づくことがありますから。患者さんご自身が無意識に感じている悩みを汲み取れるような、そんな存在でありたいです。

一人ひとりに合ったサプリメントを提案

栄養学の考え方を皮膚科の治療や美肌、アンチエイジングにつなげていきたいと話す山崎。「まいこホリスティックスキンクリニック」では、糖化レベルが分かる糖化測定のほか、消化機能検査、ミネラル検査などある。部分的、一時的な改善ではない、自らが持ち合わせる真の“美力”を引き出すホリスティック医療が、これからの美容に不可欠なのかもしれない。

プロフィール

山崎まいこ

まいこホリスティックスキンクリニック 院長

滋賀医科大学卒業。大阪市立大学附属病院形成外科、大阪市内の皮フ科常勤医師、大阪市内美容皮膚科院長を経て、2017年8月Maiko Holistic Skin Clinicを開院。米国Nutrition Therapy Institute日本校を卒業後、消化・吸収と腸内環境に着目した「ホリスティック栄養学」に基づき栄養指導を行っている。

まいこホリスティックスキンクリニック公式Webサイトはこちら

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