CLIP'STYLEインタビュー

時代がどれだけ変わろうと美容師は裏方。Quen(クエン)代表 木島尚哉

Quen 代表 木島尚哉

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クエン Quen 渋谷 美容室 木島

スタイリストマガジン『CLIP’CLIP』がローンチしたのが2017年5月。当初、監修をお願いしていたおひとりが表参道・原宿の美容室『Lomalia(ロマリア)』代表の泉脇さんでした。Lomalia​ groupから新店舗がオープンしたことを泉脇さんのブログで知ってから、もうじき1年近く。先日ついに、気になっていた”新店舗”『Quen(クエン)』へ伺い、代表を務める木島さんにお話を聞くことができました。

Lomaliaには何度か伺ったことがあるんですが、木島さんとははじめてお会いしますよね

僕、存在感ないんですよ(笑)

オープン日はいつでしたか

(西暦を確認する木島さん)去年って2018年でしたよね?

では、2018年6月9日です。

サロン名『Quen(クエン)』の由来は

​本来なら「Lomalia渋谷」などにしたらいいのかもしれませんが、チェーン展開みたいな感じにはしたくなくて。Lomalia​のコンセプトに「永遠に輝く」があるんですが、そこから派生させたものがいいなと思い、仏教用語で”永久”の意味の「久遠(くおん)」という言葉を少しラフにさせ、「遠」を音読みして「クエン」にしました。あと、永久の”久”だから、”K”ではなく”Q”をあてて『Quen(クエン)』に。

木島さんのこれまでの経歴を教えていただけますか

群馬県にある美容専門学校時代から美容室でアルバイトとして働いてました。学校を卒業後もそのままその店で就職し、3年ぐらい働いてたんですが、ある日「あんた東京行きなさいよ」とオーナー(女性)に言われて。オーナーは、もともと渋谷の美容室で働いていたんです。

僕、群馬から出るつもりがなく美容師になったんですが、オーナーにそう言われて「わかりました」と答えました。でも、東京の美容室がわからなかったので「どこに行ったらいいですか?」と聞いたら、表参道の美容室を紹介されました。「あそこで学んだら一生美容師として食べていけるから」と。それで急いで履歴書をつくって応募したら受かって、そこから東京でのキャリアがはじまりました。

Lomalia​代表の泉脇とはその美容室で出会ったんです。父の病気を機に群馬に戻るまで、5年ほどそこで働いていました。幸いにも父の病状が良くなったというのもあったんですが、群馬に1年いてだんだん飽きてきたんです。群馬から東京へ出てくるときは「修業を終えたら群馬に帰る」つもりだったんですが、東京から群馬に帰ったら「なんか違うな。いつの間にか東京に馴染んでたんだな」と気づいたんですよね。それで東京に戻り面貸しで美容師をしていたところに、泉脇から「Lomalia​をオープンするから、自分がお店を出す感覚でやってほしい」と声をかけられ、コンセプトを聞いていいなと思って入社して6年経ちます。

Quenをオープンするきっかけは何かあったんですか

Lomalia​は、箱(既存店)がいっぱいになったから「おかわり(新店)」という考え方です。「いっぱいになったから、よりよいサービスを提供しにくくなったね。じゃあおかわりしよう」と。食べ切らなければ次のものに手を出さないのと同じで、今いるところがいっぱいにならない限りは新しいお店を出すことはありません。

Lomalia​はもともとビルの3階でオープンしましたが、2年経とうとする頃にはいっぱいになってきたので同ビルの2階を借りて2フロアで営業していました。それからさらに2年経ってまたいっぱいになってきたから出店しようということで、Quenができたんです。

「代表」の重みは

Lomalia​でディレクターとしてやらせていただいていたのでその流れでって感じですね。Lomalia​の新しい歴史がつくれたのは嬉しかったです。”重み”みたいな感覚はLomalia​をオープンしたときと同じでした。Lomalia​もQuenも、最初は5人だけで必死にやってきたので。

Quenのオープン当初は、僕のお客さまをメインにお店を軌道に乗せることになるから、ひと駅違い(Lomalia​の最寄り駅は表参道・明治神宮前・原宿)とはいえ、ひと癖ある渋谷のエリア(渋谷一丁目)だから不安はありました。どれだけのお客さまが来てくださるのだろうと。でもその不安は時間とともに解消されていきましたね。

Quenがオープンした頃「今、渋一(渋谷一丁目)がアツい」と話題になっていました

それウチまったく関わってないですよ。「渋一がアツい」の火付け役にはなってないです(笑)。泉脇から「渋一か渋三で探さないか」と言われていたからそのエリアで探してたんですけど、ぜんぜん物件なくて。Quenが今いるこの物件は、もともと美容室NGだったんです。

でも「こんな雑居ビルに美容室ないだろう」というところが個人的にめっちゃ気に入ってオーナーさんに何回か面談してもらううちに、最終的には「熱意に負けました」と美容室の出店がOKになりました。2階は古着屋さんで1階はレザーショップ。独特な感じで渋谷っぽくない雰囲気がツボでした。

場所的にはかなり攻めたので、来てくださっているお客さまには感謝しかないです。お客さまの最初の反応は「え、ここ?」「看板もっと出してよ」と。でも僕、あまり大げさに宣伝したくなくて(笑)。

どんな人にQuenへ来てほしいですか

お客さまを選べる立場ではないけれどあえて言うとすると、いろんな美容室に行ったけれど自宅での再現が難しかったとか、美容室に行ったけどいい思いをしなかったとか、そんな経験をお持ちのかたに来ていただけると一番わかりやすいのかなと思います。

木島さんの得意なスタイルは

僕、嫌いな食べ物がなくて全部好きなんですよ。髪もそうで、なんでも好きです。バランスをよくするための提案はしますが、基本はお客さまのご要望ベースで仕上げます。

クエン Quen 渋谷 美容室 木島

クエン Quen 渋谷 美容室 木島

クエン Quen 渋谷 美容室 木島

(木島さんの作品)

最後に、木島さんにとっての「美容師」とは

時代がどれだけ変わろうとも、美容師は裏方です。今って個を発信していかなくてはいけない時代であることは重々承知ですが、僕がお客さまと接しているときは裏方です、絶対に。お客さまが主役で、僕は裏方として髪を綺麗にしていく人。美容師は自分自身がきらびやかにするのではなく、裏方としてゲストの気持ちを盛り上げたり、髪を楽しむためのいろんな知識を与えたりする役目があると思っています。

クエン Quen 渋谷 美容室 木島

Lomalia​の内装とお花を引き継いでいるサロン内。

クエン Quen 渋谷 美容室 木島

「日本のブランドをセレクトしている、オシャレなロサンゼルスのセレクトショップがヒントになっています」と木島さん。

好きなスポットは?の問いに「僕、狭いところが好きです(笑)」

 

プロフィール

木島尚哉

Quen 代表

群馬県の美容専門学校を卒業後、地元の美容室に就職。オーナーに諭されるまま表参道のサロンへ移籍。一度は群馬に戻るも、東京への想いからふたたび上京。都内のサロンを経験後、Lomaliaオープニングメンバーに加わる。2018年6月、Lomalia​ groupの新店舗『Quen』の代表に就任。