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「もったいない食材」がない日はお休みする食堂

「もったいない」という気持ち、ずいぶん前に忘れてしまっているのかもしれません。

”ない”ものがない恵まれた環境に暮らし、それこそお金さえだせばなんでも簡単に手に入ってしまう現代。よりキレイなもの、よりキズのないもの、よりヨゴレのないもの、よりカタチの整ったものを求めるばかりに、そこからちょっとでもハズレると隅に弾かれてしまう。

それらは一体どうなるのか。

用なしのレッテルを貼られたものたちは、ひとの手のぬくもりを感じることなく、ひとに感謝されることもなくお役御免。…なんて残酷な。

消費者にとって都合よくつくられた”規格”から、わずかでも外れた食材に、新たな価値を与える食堂があります。

『もったいない食堂®︎』の「もったいない食材」とは

『もったいない食堂®︎』が大切にする「もったいない食材」のひとつめは、「余剰野菜」です。

形が悪い、採れすぎた、規格から外れた…といった、さまざまな理由から販路に乗らなかった野菜たちをレスキュー。

ふたつめは、大きさにバラつきがある、形が悪い、キズがあるなど、鮮度は申し分ないのに廃棄されてしまう「未利用魚」です。

出荷予定数より多めに製造したパンや、型崩れなどによる”出荷基準”に満たなかったパン、売れ残ったパン。通称「ロスパン」が、「もったいない食材」の3つめ。

十分食べられる食材を使用することで、生産・製造の裏側を知ってもらい、消費行動を見直すきっかけづくりを目指しています。

『もったいない食堂®︎』三浦海岸店

茅ヶ崎店、葉山店につづき、2022年4月にオープンした『もったいない食堂®︎』三浦海岸店。現在は、月曜定休で火曜日が「喫茶DAY」、水曜日「うどんの日」、木金が通常メニューの日、土日「朝食あり」となっています(くわしくは公式Instagramで)。

ふいに思い立って訪れたのは8月某日火曜日。

未利用魚をつかった、「喫茶DAY」の日替わりサンドイッチメニューがたのしみでした。

この日は「まぐろすき身とおからの和風ハンバーグ、レタス、サニー、薬味」サンドがメイン。つけあわせは「秋ナスのはちみつレモンマリネ、さつまいもとリコッタチーズのサラダ、花鯛とマッシュルームのタルタル仕立て」。

ボリューム満点

絶妙なふんわり感のある和風ハンバーグ。食べごたえあるサイズですが、軽やかな口当たりと食感で、スッとお腹におさまってしまいました。

いつもなら、食後にコーヒーをオーダーするところですが、店内にあるこちらをみて思い出したのです。

そういえば、Instagramで拝見したときから「食べたい!」と思っていたことを。

一人前は大きすぎると感じるひとにはありがたい、「ハーフサイズ」の用意があるではないですか。

スイカもひかれますが、ここは迷わず「削りイチゴ(イチゴを冷凍させて、そのまま削ったもの)」をオーダー。

ちょうどいいサイズ

レトロ感ただよう、なつかしい気分のかき氷が登場です。

どこまでもイチゴ。

コロナ渦で大打撃を受けた、観光いちご農家さんからレスキューしたイチゴだそう。

ココナッツミルクとお砂糖のみでつくられた、ヴィーガン練乳がかかっています。

ほっこりと満たされて、ふと気づく。

たった今「おいしい」と思って食べていたものは、下手すると棄てられていたかもしれない食材ばかりだったんだと。

救ってくれるひと、おいしく調理してくれるひと、よろこんで食べてくれるひと。そうやっていい連鎖ができている『もったいない食堂®︎』、最高です。

9月11日は、夏の間お休みしていた茅ヶ崎店でおとなも子ども楽しめる縁日イベントがあるそう。

次回はどんな「もったいない食材」と出会えるか、それもワクワクするお店です。

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