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いつか思い出してもらえるようなカフェに。CAFE FANDANGO

海と山に囲まれる神奈川県逗子市。カフェ『CAFE FANDANGO』は、山頂から相模湾を一望できる披露山公園にほど近い場所にあります。数年前に都内から移住し、カフェをオープンした山﨑康史(やまざきこうじ)さんにお話をうかがいました。

CAFE FANDANGO 逗子カフェ

カフェをはじめたきっかけ

昔から、将来は田舎でのんびりカフェをやりたいなとぼんやり思っていたんですけど、まあムリだろうと過ごしていたら子どもが産まれたんで決心しました。都心から離れた緑のあるところで、奥さんの通勤範囲内でって考えたらここ(逗子)になったんです。たしか2018年11月のオープンだったと思います。

CAFE FANDANGO 逗子コーヒー

10年ちょっとアパレルのお店と会社を経営していたら疲れちゃっんですよ。本当は会社にするつもりなかったのに思いがけず売上よくなっちゃったもんで。でも会社にしてからだんだん自分の理想から離れていった気がしました。理想を形にして売るという達成感を味わうのがたのしかったのに、従業員の給料のことや「これだと売れる、売れない」という見方が強くなりつらくなってきたんですよ。

カフェファンダンゴ 逗子

それで原点に戻ろうと思って数年間、ひとりでフリーランスのようなスタイルで仕事をやっていたんだけど「お父さんなにやっているの?」と(子どもが)聞かれたときに答えられるようにしたいとか、子どもに何か残してやりたいとかそういうのを考えてカフェをはじめたのもあります。

どんぶり勘定のぼくとは違ってなんでもしっかり計算する奥さんに裏のことはすべて任せ、カフェは自由にさせてもらってますね。

カフェの名前の由来

ぼくバイクが趣味なんですけど、前のお店の仲間でつくったバイクチームが「ファンダンゴ」という名前だったんです。字面が好きだったから、そこに「カフェ」をつけただけ(笑)。

CAFE FANDANGO 逗子カフェ

ファンダンゴは英語で直訳すると馬鹿騒ぎという意味で、もともとはスペインのお祭りの名前です。でもその名前にしたのは、ぼくの好きなロックバンド「ZZトップ」のアルバムのひとつに『ファンダンゴ!』があったからなんですけどね。

お客さんからは「スペイン料理屋さんですか?」とか「ケビン・コスナーの映画『ファンダンゴ』と関わりあるんですか?」と聞かれることがあります。

カフェをはじめてから苦労したこと

苦労か…ないかな。メニューづくりくらいじゃないかな。最初は腐らせちゃったり、試行錯誤で1年くらいかけてメニューにしていったことが苦労といえば苦労かな。まだまだ改良したいですが。

CAFE FANDANGO 逗子ランチ
人気メニューのひとつタコライス。コーヒーつき
CAFE FANDANGO 逗子ランチ

看板メニューは奥さんが書いてくれてるんです。ぼくよりもよっぽど奥さんのほうが絵がうまくて、カフェのロゴにあるコヨーテもそうです。

CAFE FANDANGO 逗子

カフェをはじめてよかったこと

ゆっくりしてます。今までが目まぐるしかっただけに。

CAFE FANDANGO 逗子朝ごはん

14歳くらいのときに住み込みで働きだして、生きるために必死で働いていたんですよ。借金かかえたときは、朝から晩まで働いていました。若いときは遊びたいからほとんど寝ずにいたら身体をこわしてしまったことがあるくらい。

カフェのコーヒーについて

喫茶店でバイトしたことがあったんですがその時にコーヒーにハマって、用具を集めて家で自分なりに淹れて、飲んで飲んで飲みまくって豆や淹れ方を研究しました。それがカフェで活かされています。

CAFE FANDANGO 逗子コーヒー

今はスマホで検索すればなんでもでてくるけど当時は経験でしかわからなかったんです。ぼくらが何十年かけてやってわかったことが、今は一発でわかるからくやしいよね(笑)

カフェファンダンゴ コーヒー

カフェ巡りが好きでいろんなところで飲んでいるうちに出会ったのが、早稲田にあるお店でした。おいしくて好みの焙煎だったから「カフェやったら卸して」って話してたんですよ。あとは徳島からもオーダーしてます。自分で飲んでおいしいと思ったものを置くのが基本で、コロンビアとスマトラ・マンデリンは定番です。あとはちょっとずつ変わることがありますね。

ペットOK 逗子カフェ
ペットOKのデッキ

同じ豆でも焙煎所によって味が違うし、同じお店でも季節によって味が変わるからコーヒーっておもしろいです。

メニューでこだわっていること、大切にしている想い

ぼくらの世代は喫茶店世代だから、かならずお気に入りのお店があるんです。行けば誰かしら知り合いがそこにいるし、なにかっていうと喫茶店に行ってましたね。はじめてのデートってなにしていいかわからないから3回くらい行ってましたよ。だからお腹こわしました(笑)

CAFE FANDANGO 逗子カフェ

そんな喫茶店にあるメニューで、自分が再現できるものとか、あって欲しいなというものを置いています。ぼくケチりたくないんですよ。ごはんちょびっととか、コーヒーも小さいカップで出すのとかはいやなんです。だからごはんの量はわりと多め。あまり食べないひとには調整してだしています。高い食器で飲むのもいいけど、ここの雰囲気だとやっぱマグカップでしょ。

CAFE FANDANGO 逗子コーヒー

おかげさまで「おいしい」といってくれるお客さんがいるし、毎回同じものを食べるひともいるからこれはきっとおいしいんだろうなと信じてます(笑)常連さんをたくさん持ちたいです。いつか閉めたときに「なくなっちゃってさみしいな」と思われるようなカフェになれたらいいですね。

これからカフェをとおしてやりたいことや夢

今もときどきやっているフリーマーケットを地域の交流としてやりたいなと思ったり、時間で場所を貸してイベントをやったりが月に1度くらいできたらいいなとは思っています。まだ状況的に難しいかもしれませんけれど。

あとは、またものづくりをしたいなとも思っています。Tシャツは在庫が増えたので今度はキーホルダーとか。

カフェファンダンゴ コーヒー

ぼくは飽きっぽいからとにかくたのしくやりたいです。無理して商売やろうとは思わないですね。子どものために最低限は稼ぐけど、なるべくマイペースで生きたいし、人生たのしくやりたいって思います。  

CAFE FANDANGO

住所:神奈川県逗子市新宿4-15-19

営業時間:11:00〜17:30(土日祝日20:00まで) 

定休日:不定休

TEL:046-845-9348

メモ:店内禁煙、クレジットカード/各種電子マネー払い可、男女兼用トイレ1つ

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