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【及川尚輔】「自分大好き」が美をキープ。肌老化には先進コスメを

「なぜキレイな人とそうじゃない人がいるのか、なぜ人はキレイになろうとするのか」
ある日、疑問に思ってシスターに尋ねたのは、当時ミッション系の幼稚園に通っていた及川尚輔だった。「神様は美醜をつくらない」と言葉を濁された及川は、子どもながらも「それは違うでしょ」と感じ、その後ずっと“美”を追求することになる。現在、ビューティープロデューサーとして数々の化粧品を世に送り出している、通称「美肌国 及川王子」。商品開発に携わった『XLUXES(エックスリュークス)』だけでなく、エックスワンのさまざまな商品を取り扱っているXLUXES銀座店に及川王子が現れた。

及川王子が美に興味を持ったのは、幼稚園児のときだったんですね

ミッション系の幼稚園に通っていましたから、シスターたちはまったくメイクをしないのに対し、方やマダムたちはみんな煌びやかにしているでしょう。その違いにまず興味を持っていましたし、キレイに見えるポイントを4歳にして意識していましたね。人間は自ずとキレイを求める生き物なんです。肌にしてもファッションにしても料理や建造物にしても。にもかかわらず、自分の美醜に対して改善しようとしない人と、ひたすら追い求める人がいるのはなぜなのか。美は確立できるものなのか維持できるものなのか…それを勉強してみたいと思ったのが美に興味を持ったきっかけですね。今も追い求めているから現在進行形です(笑)。

学生時代はいわゆる普通科に通っていたんでしょうか

そうですね~、本当は心理学者になりたかったんですけど大学に落ちてしまって(笑)。浪人中にどうしようかなって思ってたら、親戚の岡元美也子ちゃん(現 資生堂トップヘアメイクアップアーティスト)が「資生堂に入ってヘアメイクアップアーティストになるんだ」なんて言っているのを聞いて。その影響から僕も化粧品会社に入っちゃおうかなと。向こうが国産ブランドならこっちは外資だ、なんてね。どうせならトップ3のブランド、シャネルかディオールかエスティ ローダーに入りたいと思っていたら、エスティ ローダーに入社が決まったんです。

著書『顔を見れば9割わかる』に「第一印象が肌質で決まる」とあります。肌に着目したのはいつ頃からですか

メイクアップアーティストだった3~4年間は、肌(スキンケア)にまったく興味を持っていませんでした。常々、メイクアップアーティストとして成功することだけを目標にしていて。まずはメイクアップアーティストとして世に出たいと思っていたら、20代前半でテレビや雑誌に出させてもらえるようになってましたね。僕「なりたい、こうしたい」と思ったことの95%は叶えられています(笑)。業界の中ではそれなりに地位を確立できると、メイクアップだけを追求していくことに物足りなさを感じてきて。もっと幅広く勉強したいなと思いはじめたのが20代後半のことでした。

ある化粧品の開発に携わったあと、エスティ ローダーから『ボビイ ブラウン』の立ち上げを任されることになって。ひとりひとりの個性を最大限に生かすというフィロソフィーで、メイクアップアーティストの技術よりもメイクされる人の個性美の追求を掲げていたので、それに馴染むのにちょっと時間がかかりましたね。今となってはすごくいい経験でしたけど。ひとりひとりの印象分析・個性分析を追求してきたおかげで『顔を見れば9割わかる』という本が書けましたし、個性をベースとしたメイクアップや印象変化というものに対してある程度、僕なりの道を築けましたから。

エスティ ローダーを辞めた34歳頃、セレクトショップ「コスメクリニック」(現存)という化粧品の集積ショップをつくりました。今でこそあちこちにある化粧品のセレクトショップですが、当時は珍しかったんです。百貨店にあってもいいグレードなのに並ばなかった、ハイクオリティーな20以上のメーカーから商品を仕入れて販売していました。そのメーカーの担当者と毎日ミーティングをしているうちに、各社の良いところと改善すべきところが見えてきたんですよね。それぞれの美容理論・皮膚理論が異なっていて、真実のスキンケア論って一体何なんだろうと思い始めていました。

そういった経験を経て、化粧品ブランドのプロデュースを36歳ではじめることになり、今ではコスメティックブランドプロデューサーという肩書でさまざまな化粧品メーカーや化粧品工場のサポートをしています。

クリップクリップ_クリクリ_インタビュー_及川尚輔_2

第一印象の肌質で分かること、また肌のためにすべきことは何ですか

オイリースキンの人は男性ホルモン過多に見られます。勝気に見えたり、エネルギッシュに見えたり。どちらかと言えば“陽”のイメージです。逆にきめ細かく肌が白い人は“陰”のイメージ。おっとりしていてやさしく上品で、運動神経がちょっと鈍くてあまりイライラしない性格。エストロゲンが多く胸の大きい人が多いです。ホルモンの量でオイリーかドライか決まってくるので、肌を見るとその人のホルモン量が分かってしまいます(笑)。

肌質は生まれ持ったものなので、ほとんど変わらないし変える必要もないんですが、肌トラブル、たとえばニキビ、吹き出物、乾燥小じわ、シミそばかす、たるみなどが起きないように予防することと、起きたときにどう対処するかを知っておくことは大事です。

ニキビ桿菌(かんきん)という細菌が発生するニキビや吹き出物は、クレンジングと洗顔が合っていないのが原因。真のスッピンになり切れていないんでしょうね。角質がつねに肥厚しており紫外線に当たることで、さらにそれが刺激となって余計に角質肥厚が進みます。汚い手で肌を触り過ぎるのもダメ。スクラブとかAHAピーリング剤を使い、抗炎症剤のグリチルリチン酸ジカリウムやサリチル酸など殺菌作用のあるもので角質をケアすべきです。肌トラブルは、外側からのケアだけじゃなく内側からのアプローチも必要。典型的なビタミンB群、特にB2・B6・B12が不足すると肌が荒れます。

あと最近は腸の汚れている人が非常に多いですよね。1日20gの食物繊維を摂りましょうと、厚生労働省が発表していますけどだいたい皆さん6~8g足りない。恒常的に不足しているから、肝臓から出た毒が食物繊維に絡まずそのまま再吸収してしまうんです。もう悪玉菌だらけ。悪玉菌が増えると太るし、太って肌が汚くなるという悪循環のはじまり。男女をあわせた“がん患者”の中でもっとも多いのが大腸がんです。それくらい食物繊維不足は火急の事態。腸を綺麗にしておくことは、肌をキレイに保つことにも直結しています。

活性酸素やストレスを溜めない、質のよい睡眠をとる、瞑想など穏やかな時間を1日30分過ごす、アロマを焚く、心が癒されるドラマや本を読む、感動して涙を流すのも有効です。とにかく心に栄養を与えてあげましょう。

及川王子のように透き通るような美肌を目指すには、SST(シミ・しわ・たるみ)対策として何をしたらいいでしょう

シミは紫外線による炎症でできるので、ブロックすることが最大の課題です。トランシーノやトラネキサム酸などが入った製品がヒットするのはその理由から。紫外線対策も必要ですが、肌内部の炎症を抑えることにも注目すべきです。メラニンを分解する性質を持つ成分ビタミンCや、メラニン自体をつくらせないようにするトラネキサム酸、エラグ酸、コウジ酸など、そういった美白成分をなるべくミックスして使います。メラニンの生成から排出までをいかに促進させるか、あるいは事前にどう食い止めるかを考え、先進性のあるものを選ぶようにしましょう。

しわとたるみに対しては、どちらも「ヒト幹細胞培養液」を超える優れた成分は今のところありません。表皮のターンオーバーが28日、真皮は3~4ヶ月でこれはあくまでも25歳までの肌。そこから加齢とともにどんどん遅くなっていき、細胞の再生力や成長力が落ちてしまいます。化粧品とサプリメントを併用し、しかもハイレベルなものを使わないとSSTに打ち勝つことが難しくなるでしょうね。

ヒト幹細胞培養液を配合した『XLUXES プロケアビヨンド』。プロデュースするにあたりこだわった点はどこですか

「自分史上最高の美肌」がコンセプト。自分自身がキレイになれたなと、実感できる化粧品にしたかったんです。価格は決してお安いものではありませんが、線維芽細胞が活性化されてハリがアップするという忠実なデータに基づいて、厳選した成分を最適な濃度で入れています。未来永劫、美肌でいたいという願望のある人に使って欲しいですね。老化してもいいとか、自然に老化するのは当たり前と考えている人には価値を分かってもらえないかもしれません。何一つ誤魔化していない仕上がりですから、感度の高い人にはきっと満足してもらえるはず。僕自身、プロケアビヨンドを使いはじめてから肌に透明感がでるようになりましたから説得力ありますよね(笑)。

クリップクリップ_クリクリ_インタビュー_及川尚輔_XLUXES_1

編集後記

「自分大好き」でいることが重要だと話す及川王子。ジムに通ったり専属のトレーナーをつけたりしない代わりに、毎朝、腹筋と腕立て伏せを各50回ずつやることや、鏡で腹筋が割れているかなど全身のチェックを欠かさない。理想的なボディになろうという気持ちを毎日持ち続けることで、自分の筋肉を成長させている。これは顔にも応用可能だ。スマホの美肌モードで、自分の最高にキレイな表情や角度を何パターンか撮影。プリントしていつも目に触れるよう部屋の数か所に貼っておくと、ストレスが溜まり美への意識が薄くなって酷い顔になるのを防止できると言う。なりたい理想の自分を常にイメージしておくことは、外見にも内面にも磨きをかけることになるのだと、及川王子のオーラが物語っていた。

【著書紹介】
顔を見れば9割わかる(アスコム)
「人間スキャナー」と呼ばれる及川王子の顔相学は、円滑に人間関係を築くためのバイブル

【XLUXES プロケアビヨンド】
気になるラインやハリ、くすみといったサインを遠ざける自分「至上最高峰」の美肌を目指す、革新のベースメイクシリーズ。
公式Webサイト

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プロフィール

1986年、エスティ ローダー株式会社に入社しメイクアップアーティストとして活躍。1997年、ボビイブラウンプロフェッショナルコスメティックス株式会社に転籍後、独立。現在は、コスメティックブランドプロデューサーとして数々の化粧品を世に送り出している。

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及川尚輔
アヴニールビューティコンサルティング株式会社 代表取締役社長

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